発禁本 花房四郎訳 『同性愛種々相』 (1929)35冊目

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今回、紹介するのは、ドクトル・アルベール著
花房四郎訳 『同性愛種々相』である。
同性愛となっているが男色は一切含まれておらず、
レズビアンのみの収録になっている。
この本は 限定1200部で、1929年5月に文藝市場社より
刊行されたが、発禁になり、官憲より押収された。

この様な好色本は、通常の書籍の様に
店頭に並び、誰でも購入出来るものではなく、
会員だけに(予約)販売されたものである。
理由は好色本であるが故に(法に触れるので)、
うかつに誰にでも販売出来ない為である。
(主催の梅原北明は幾度も官憲により検挙されている)
大抵の好色本はこの様にして入手するのが常であったが、
製本等は問題外であり、また騙しも多い。

しかしながら文芸市場社が刊行した本は、
装丁が良いものが多く、
本書も美麗な背革装である。