読書 武田修一著『ヤマギシ会の暗い日々』151冊目

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今回は武田修一著『ヤマギシ会の暗い日々』(野草社 1994)を
紹介する。
フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』によれば、(以下ウィキペディアより抜粋)
ヤマギシ会とは、農業・牧畜業を基盤とした理想社会を作ると言うコミューン団体。
1953年に山岸巳代蔵によって作られた養鶏改良の団体が始まり。
1956年に後述する特別講習研鑽会(特講)が行われ、
1958年には春日山実顕地の開拓が始まるが、
1959年に特講参加をめぐるトラブルから強制捜査を受けた。
1961年に山岸は死亡するが、全共闘時代にコミューン運動としてヤマギシが捉えられ、
急速に勢力を伸ばした。
ヤマギシに於いては私財を提供し協同で農作業に従事する
「参画」と言う活動が柱となっている。
「参画」の前段階として行われる講習が特別講習研鑽会(特講)であるが、
この特講では半ば洗脳に近い人格改造の作業が行われていると言う指摘もあり、
そのことからヤマギシをカルトと捉える見方もある。
特講でヤマギシズムの思想に共鳴した場合、集団生活を営むことになる。
しかし、財産共有が鉄則であるため、全私有財産の供出が要求される。
金額は決まっていない。ただし、脱会の際の財産返還のルールがないため、
たびたび財産返還を巡り、訴訟が起こされている。
なお、子どもは子ども同士で育つのが良いとされ、親から引き離されて
共同生活が営まれる(こども楽園村)。
子どもの世話役の客観的な選抜基準はなく、
ふさわしいと思われた成人に委ねられる。
資金源は、共同作業で生産された農産物の販売が中心である。

本書は著者がヤマギシ会において実際に体験した事をまとめた本である。
ヤマギシ会はマスコミで、なかなか報道されることは少なく、
どんな会なのかを把握するのは簡単な事ではない。
本書はヤマギシ会とは何か?という疑問を解決してくれる。