5月9日 性への憧憬 安岡章太郎著『花祭』(1962年)11冊目

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安岡章太郎の長編作品「花祭」は、
性の目覚め、そして性への憧憬を表現した作品である。
安岡章太郎の代表作という認識は、それほどはされていない様で有るが、
私は安岡章太郎の一連の作品の中では一番好きな作品である。
男ならば誰でも抱く、性への興味と甘い目覚めを如実に表現している。
性への憧憬や目覚めを題材にした作品は他に数多く有り、
室生犀星の「性に目覚める頃」等が挙げられると思うが、
安岡章太郎はユーモアに表現している。

印象的なのは、女中の芳枝との遣り取りであり、
それに、勝ちゃんに主人公の少年が迫る終盤の場面である。

安岡章太郎
『花祭』(純文学書下ろし特別作品)
新潮社より1962年に刊行