5月9日 リチャード・バックマン著『死のロングウォーク』(1979年)10冊目

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近未来のアメリカ。
そこでは選抜された十四歳から十六歳までの少年100人を
集めて毎年五月に「ロングウォーク」という競技が行われていた。
アメリカ・カナダの国境から出発し、
コース上をただひたすら南へ歩くだけという単純な競技だ。
だが、歩行速度が時速四マイル以下になると警告を受け、
一時間に三回以上警告を受けると射殺される。
この競技にはゴールはない。最後の一人になるまで、
つまり九九人が殺されるまで、昼も夜もなく競技は続く。
体力と精神力の限界と闘いながら、少年達は一人また一人と脱落し、
射殺されていく。
彼らは歩きながら、境遇を語り、冗談を交わし、お互いを励まし合う。
この絶望的な極限状況で最後まで生き残るのは果たして誰なのか。
(本書の裏表紙のレビューからの抜粋)

この本も何度読んだことであろうか。
今まで5~6回は読んだと思う。
翻訳者の力量だと思うが、
アメリカ人特有の比喩、ユーモアな会話がある。
その会話が日本人には決してみられない表現である。
ティーヴン キングは冗舌であり、序盤が長く、
なかなか話が進まないことは有名である。
しかし佳境に入るに従い、あと、これだけで読み終わってしまう・・・
そんな心境に駆られる本である。
本書はキングの作品の中では、それほどは語られる機会も無い、
作品であるが、私はキングの作品の中では一番好きな作品である。
これこそ本(読書)の醍醐味だと思う。

リチャード・バックマン(スティーヴン キング)
死のロングウォーク』(文庫)
沼尻 素子 訳
THE LONG WALK (1979)
1989年扶桑社から刊行。