ドイツTVドラマ(ZDF)『美女と野獣』

イメージ 1

ドイツ オーストリア制作。85分。
ZDF(Zweites Deutsches Fernsehen)のTVドラマ。
(原題 Die Schone und das Biest)

2014年の同じタイトルのフランス映画
美女と野獣( La Belle et la Bete)」がある。
こちらのが有名だし、話題作であり、また主演は、
レア・セドゥ(Lea Seydoux)に、
ヴァンサン・カッセル(Vincent Cassel)であるし、
制作費もかかっている。
それに、本作品は映画ではなく、2012年のドイツの
TVドラマである。
しかし、この2つの作品を見てみて、
ドイツ版の『美女と野獣』のが気に入った。
グルム童話にも「夏の庭と冬の庭」
(Von dem Sommer- und Wintergarten)という
似たような話が収録されている事だし、
ドイツでの「美女と野獣」も良いじゃないかと思った。

2014年のフランス映画の「美女と野獣」は
確かに金もかかった作りではあるが、
おとぎ話なので、そこにはやはり当然リアリティがない。
(まあ有ってはならないことではあるが)
本作品はコメディ調で、おとぎ話ではありながらも、
リアリティがあり、逆にそこが良いと感じた。
2014年のフランス映画の「美女と野獣」には
豪華な料理だが、本ドラマで最初に出される
食事は動物の(熱加工していない)生肉だし、
また、領主に苦しむ民衆の描写、見せしめの刑に
処される描写もあり、本(インキュナブラ風)
楽器(リュート)等の小道具も登場し、
(TVドラマとしては)時代考証も悪くないと感じた。
図書室のシーンではヒロインが「字が読めたら・・・」
という描写もあり、近代まで(ドイツに限らないが)
欧州の識字率は低いということも表しており、
押さえてある所はきちんと押さえてあるなと感心した。
決して有名でもなく、映画に比べて金もかかっている訳
でもなく、話題作でもないが、やはり本ドラマの方が良い。
それに王子(野獣)が母の形見のネックレスを
買い戻したり、ヒロインの命を助けたり、
とても頑張っていて、一途なところも大変好感が持てた。

Marchenperlen: Die Schone und das Biest TRAILER
(記事投稿時なら視聴可能)
https://youtu.be/NUPZsYj4378