『13歳の少年が見た戦争 映画 「フォース・ダウン 敵地脱出」』

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オランダ制作。99分。(原題 Oorlogswinter)

ベストセラーになった、ヤン・テルラウの児童書
「戦争の冬」(岩崎書店)の映画化作品。

まず題名で損をしている、普通に原作本のタイトル、
「戦争の冬」で良いじゃないか。
こんな題名をつけたら、本ブログで、以前紹介した、
あの「エネミー・ライン」みたいな映画を
否が応でも想像してしまうが、全く別な観点、
視点から描かれた映画であり、作品の真意も違う。
本映画はドイツ占領下のオランダの小さな村で、
13歳の少年ミヒールが見た戦争の物語である。
本映画の映像を見ただけで、極寒のオランダの地が
見る者に確実に伝わってくる。
ミヒールがこっそり食料を持ち出して、
いつばれてしまうのかとヒヤヒヤしながら見ていた。
村長である、ミヒールの父が、或る日、
ドイツ軍に拘束され、助かるのかと思ったら、
次の日には銃殺されることに・・・。
その事を知った、ミヒールが父を助ける為に、
今、ドイツ軍に銃殺されようとしているところに疾走する。
ミヒールは、ドイツ軍に犯人を知っていると告げ、
父を助けようとするが、アメリカ映画なら、
そこで間に合うのだが、本映画はアメリカ映画では無かった。
父の葬儀に出るミヒールの家族、葬儀から帰宅すると
家中が荒らされていた。正に踏んだり蹴ったりである。
イギリス兵を助ける日の約束の3時に、イギリス兵を
馬車に乗せ、橋に向かう途中、車輪は外れてしまうわ、
いよいよ橋を渡るとき、橋の管理人が約束と違う
行動に出てしまい、イギリス兵が管理人に銃を突きつけるわ、
その時、ドイツ軍が向こう側の川岸から一斉射撃してくるわ、
馬車に再び乗り、馬に2人が乗り換えたら、馬の足が折れ、
転倒するわで、ヒヤヒヤの連続の映画であった。
まさか叔父がドイツ側だったなんて、それに、
ミヒールはこのまま叔父を撃たないのかと思ったら、
また意表を突かれた。
戦争が終わっても、ミヒールは周りの村人や家族の様に
笑顔が出ない、父がいないからだ・・・。
ラストシーンのミヒールの笑顔でほっとした思いがした。
13歳の少年が戦争の恐ろしさ、残酷さを突きつけられる、
映画であって、途中ダラダラとするような退屈な描写は無く、
緊迫するシーンの連続の映画である。
無名な映画であるが、是非、お薦めしたい映画である。
(まさか、あの包みがトランプだったなんて思わなかった・・・)

Officiele trailer OORLOGSWINTER
(記事投稿時には視聴可能)
http://youtu.be/sG5UsOQiHME