おすすめの本 『書物愛 蔵書票の世界』 235冊目

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本と版画美術への愛から生まれた自分だけの
蔵書のしるし、「蔵書票」。
その歴史、具体的な制作法、
蔵書票作家を紹介するミニ事典、
さらに、つきない魅力を存分に語るエッセイから、
西欧のエロティックな逸品
・美しいお宝作品紹介まで、
至れり尽くせりの蔵書票入門。
小版画図版一四〇点収載、超お買得。
本好き、愛書家、読書人、待望の一冊。
(本書の紹介文より抜粋)

今回は、日本書票協会(著)『書物愛 蔵書票の世界』を紹介する。
(平凡社新書)2002年刊行。
至れり尽くせりの蔵書票入門、小版画図版一四〇点収載、
超お買得と有る様に、正に蔵書票とは何ぞやと思う時、
本書は格好のテキストになるはずである。
それ程に、大変良くまとまっている。
本書の第三章「蔵書票を楽しむ」の執筆人も又素晴らしい。
山本茂樹、気谷誠、田中栞等が蔵書票について語っている。
同類の本、樋田直人著『蔵書票の美』よりも
本書の方が(私見では有るが)バランス良くまとまっていると思う。
『蔵書票の美』よりも本書を薦めたい。
しかし、こういった趣味は特殊な分野であるので、
決してブームにはなりやしないだろう。
(切手やコイン蒐集の様に、万人に敷居が低い分野とは、とても言えない)
蔵書票蒐集家は今後、減りはすれども、決して増えやしないだろう。
本体の書物自体に関心を持つ人が少なくなり、
読書人口も、また古書蒐集人口も年々減っているのだから。