絵画21 Antoine-Joseph Wiertz作『飢え,狂気,犯罪』(1853)

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今回は19世紀ベルギーの画家の
Antoine-Joseph Wiertz (1806-1865)が1853年に描いた
(Faim飢え,Folie狂気,crime犯罪)を紹介する。
この絵は大変インパクトが有り、
一度見たら決して忘れない程の衝撃を見る者に与える。
まるでムンク「叫び」の様に。
また狂気、錯乱が良く表現されている。
我が子、赤ん坊を食らうというのは小説や伝説
或いは美術の分野では良く出現するテーマである。
自分の子を食らう程、人類の歴史は飢えとの闘いで有ったとも言える。
釜の中には子供の足が見え、薄笑いを浮かべた母親の手には
ナイフが握られ、膝には布に包まれた赤ん坊が見える・・・。
一番ゾッとするのは、この母親の表情である。
これは想像の恐怖とも言えると思う。