フランス流のコメディ風味の冒険譚 『アデル』

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En cette annee 1912, Adele Blanc-Sec, jeune journaliste intrepide,
est prete a tout pour arriver a ses fins, y compris debarquer en Egypte
et se retrouver aux prises avec des momies en tout genre.
Au meme moment a Paris, c'est la panique! Un oeuf de pterodactyle,
vieux de 136 millions d'annees, a mysterieusement eclos sur une etagere
du Jardin des Plantes, et l'oiseau seme la terreur dans le ciel de la capitale.
Pas de quoi destabiliser Adele Blanc-Sec, dont les aventures revelent
bien d'autres surprises extraordinaires...
D'apres les albums "Les aventures extraordinaires d'Adele Blanc Sec"
de Jacques Tardi Editions Casterman.
2010年フランス制作。107分。監督Luc Besson.
(原題LES AVENTURES EXTRAORDINAIRES D'ADELE BLANC)

今から約100年前、ガブリエル・シャネルがパリに店を開いた頃の物語である。
勿論、映画なので、架空の物語であるが、
時代考証がしっかりしていて、第一次大戦前の、
古き「美しき時代」ベルエポックのフランスのパリが見事に再現されている。
女性の衣装、帽子、それに男性の衣装などが素晴らしい。
もう馬は移動の重要な手段としての役割を失いつつあり、
それに変わって自動車が登場し、切り替わった頃である。
この映画の舞台から数年後、第一次大戦が勃発し、
文字通りの牧歌的な時代は終わりをつげる。
この時代、フランスの挿絵本の黄金時代とも言うべき頃である。
(19世紀末から1930年代までは数々の豪華な挿絵本が
次から次へと作られ、愛書家達の書斎を飾った)
古代エジプトは地理的な好条件もあり、フランスでも古来から研究されてきた。
ジャン=フランソワ・シャンポリオンによる、ヒエログリフの解読は有名である。
またフランスでは、フランス文学(例 ゴーティエ著「ミイラ物語」等)や
絵画等によっても古代エジプトは描かれてきた。

さて、映画の評価だが、最初から期待はしてないので、
それほどは悪くないように感じた。
インディ・ジョーンズの冒険譚を思わせる、このような物語は
アメリカ映画が今まで主流であって、フランス映画では開花する事は
皆無だったことを考慮すれば、まずまずの出来でこれは快挙と言うべきだろう。
何も冒険映画をアメリカ等の英語圏に独占させておく事もないだろう。
19世紀のフランスの新聞小説、または読み物には探偵物ばかりでは無く
このような冒険譚が数多く連載され、また出版された。
一番有名なものは、ジュール・ヴェルヌだろう。
このように、フランスは冒険物に関しては基礎、土台がしっかりとあるので、
あとは制作のみである。
ゾンビ映画、ホラー映画と共に、冒険映画の制作でもフランスに期待したい。
(続編を作る気満々の終わり方である)
あとは魔法魔術の分野で、ハリーポッター等という映画があるが、
この分野の映画でも何も英語圏だけに独占させておくこともないだろう。
古来からフランスは錬金術が盛んな国であったのであるから、
素地は充分に出来ている。
なお主人公アデル・ブラン=セックを演じる、ルイーズ・ブルゴワンは
フランスではお天気お姉さんとして有名である。

オフィシャル・サイト
(記事投稿時には視聴可能)
http://www.adeleblancsec-lefilm.com/

Adele Blanc-Sec - Bande-annonce
(記事投稿時には視聴可能)
http://www.youtube.com/watch?v=d0389lPZdGU

Louise Bourgoin
(記事投稿時には視聴可能)
http://www.youtube.com/watch?v=5yfdS6BGH3Y