5月7日 ナバル女王著 『エプタメロン-Heptameron-』 (世界奇書異聞類聚の第4巻&5巻) 5冊目

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今回は、ナバル女王 著「エプタメロン」を紹介する。

ナバル女王自身の書いた、『エプタメロン』(七日物語)Heptameron(1559)は、
ボッカチオの『デカメロン』と同じ傾向の作品で、フランス・ルネサンス文学の代表作である。

*ナバル女王とは、マルグリット=ド=ナヴァール(1492~1549)のことで、
 ヴァロワ王家の傍流アングレーム伯シャルル=ドルレアンの娘であり、
 フランス王フランソワ1世の姉にあたる。
 アランソン公シャルルに嫁し、死別してからはナヴァール王アンリ=ダルブレと再婚した。
 女流教養人で学芸の保護者となり,その宮廷はフランス=ルネサンスの一中心となる。
 自身も『エプタメロン』(七日物語)を著した。
 これはボッカチオの『デカメロン』にヒントを得、
 72篇の小話を集めたもので、内容は雑多ながら趣味や風俗の考察をも含んでいる。
 当時の文人や学者達の殆どが彼女と交渉を持ち、その中にはクレマン=マロ、
 エティエンヌ=ドレ,フランソワ=ラブレー等が挙げられる。
 宗教改革にも関心を寄せ、ルフェーブル=デタープルを援助し、
 カルヴィンとも面識があった。アンリ4世の祖母である。

私が入手したのは、世界奇書異聞類聚の第4巻、5巻「エプタメロン」
国際文献刊行会刊行、大15年~昭和2年の発行のものである。
非売品であり、公称では限定500部となっている。
大変凝った装丁であり、装丁には戦前の前衛芸術家の村山知義が担当した。
(東京にTOM美術館という美術館があるが、創設者の父が村山知義あたる)
アールデコに影響された装丁で、当時の時代色を露骨に反映している。