5月6日 プルースト著『若き娘の告白』 4冊目

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若き娘の告白
マルセル・プルースト/近藤光治、齋藤磯雄・訳
背コーネル四段マウント装、本文用紙和紙、
[表紙平Feder原画手彩色木版画入]、
限定500部
装釘 秋朱之介

-若き娘の告白/バルダサアル・シルヴァンドの死/
ヴィオラント/嫉妬の果て
新四六判(125×174ミリ)、
1934年 三笠書房発行 

戦前の有名な装丁家 秋朱之介が装丁を担当した。
秋朱之介の一連の活動は、(戦前の)日本における、
本格的な洋装装丁の頂点と言っても過言ではないだろう。

明治期に入り、和装本から洋装本が誕生したが、
あくまで版元製本であり、その為か日本においては、
結局はフランスで言うところの、「ルリュール」(製本装丁)が
発達せずに終わった・・・

そこに登場したのが、艶本、発禁本のオーガナイザー
北原北明(の関係した本は限定豪華本で有名)であり、
秋朱之介(=西谷 操*戦後の操書房の代表者になる)である。
ここに挙げられた本も、三笠書房の典型的な限定豪華本であり、
内田百閒の第一創作集「冥途」、「百鬼園随筆」等の限定本も
秋朱之介が装丁を担当した。
日本では珍しい本格的な洋装丁、4段マウント付背革装である。
戦前の三笠書房は、このような限定本、豪華本を数多く刊行した。