余りにも高い代償 映画 『ノック・ノック』

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fxxking crazy bitch!

2015年アメリカ制作。99分。
(原題 Knock Knock)

以前、本ブログでも紹介した、
映画「ハードキャンディ」や
ファニーゲーム」また安部公房の短編
「闖入者」をも、思わせる映画である。
独身ならともかくとしても、まず不倫が良くない。
まあ、そこは罠に引っかからないと映画としては
成立しないので、まんまと罠にかかる。
日本ならば、ともかくとして、
銃社会アメリカであるならば、そう簡単には
もし私なら、ドアは絶対開けない。
(相手がどんなに自分好みの女だと仮定してもだ
男なら余計開けない)
それも一人の女ではなく、複数だし、
相手が銃やナイフ等の武器を持ってない
という確証はない。まず仮にドアを開ける
としてもだ、銃器、或いはバットや
等の武器を用意してからじゃないと開けない。
相手は2人だ。不意打ちを食らえば、一巻の終わり。
手錠とか結束バンドとかロープで拘束され、
有り金を奪われ、そのまま殺される可能性は
決して0ではない。銃社会アメリカで、
あんな豪邸に住んでいて、余りにも無用心過ぎる。
まあ、そこまで用心深く、警戒心が有り、
先の展開を読める人間なら、ここまでの惨事に
ならず、映画としては成立はしないのだが・・・。
ベットの拘束から逃れた時や、或いはルイスが来た時、
まず拘束をほどいて貰い、隠してある銃を使い、
反撃すれば良かったのに、それから相手が銃を発見し、
30秒のかくれんぼの時にも逃走、或いは屋内で反撃する
チャンスが有った訳だし。逃走や反撃するチャンスを
三度も逃している。(まあ、それらをしていれば、
上記の様に映画としては成立はしない訳だが・・・)
映画「ファニーゲーム」は被害者側には
何ら過失もないまま、闖入者に蹂躙されていく訳だが、
本映画は主人公にも罪は有るとは思う。
結婚する時に必ず誓ったはずだ。
「良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、
病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、
死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻/夫を想い、
妻/夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約の
もとに誓います」これは契約である。
契約は守らなければならない。
約束と同じで出来ないことは最初から契約するなと思う。
確かに、主人公は酷い目には合ったし、
相手は極悪すぎるというのは事実だが、
不倫をしたということもあるし、或る意味
自業自得とも言えるし、余りにも高い代償、
余りにも高い勉強代になったなと思う。
ルイスは本当に気の毒だった。
やはりあのイーライ・ロス監督作品だけあって、
「最大限の不快感」を観客に与えている事に
成功している。色んな価値観、考えが有るとは思うが、
私には大変不快な映画であり、もう二度と見る事はないと
断言する。(不快にさせる事がこの映画の趣旨、
狙いだとは充分判ってはいるが・・・)