読書 馳星周著「沈黙の森」

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森の枯れ木を生き血で染めてやろう
植物も動物も喜ぶだろう

2009年徳間書店刊。

暴力団・東明会の金を持ち逃げした男が、
軽井沢に潜伏している。金額は五億。
東明会はもとより、大金の臭いを嗅ぎつけた
危険な連中が、この閑静な別荘地に現れ、
血眼になって男の行方を捜しはじめた。
かつて新宿で「五人殺しの健」と呼ばれ
名を馳せたが、今は軽井沢で別荘管理人として
静かに暮らす田口健二のもとにも協力を
要請する輩が訪れ、事態は急変する。
雪山に乱反射する、欲望、復讐、狂気
―すべてが暴力に収斂していく。
圧倒的な筆致で現実世界に迫る、
馳星周の最新長篇。
(紹介文より抜粋)

提灯記事ではなく、正直に感想を書く。
数年ぶりに馳星周の作品を読む。
「トーキョー・バビロン」につぐ3冊目。
昔の馳星周の作品にしてはかなり失速を感じる作品だった。
主人公田口の女だとヤクザには思われていたカメラマンの
紀子は2度も陵辱され、それを期に馳星周節とも言える、
いつもの暴力描写がされていくが、なんか物足りなさ
消化不良しか感じなかった。
本作品は馳星周作品の中では秀作とは言えず人には馳星周作品の
中ではお薦めが出来る作品とは言えない。